多機能型 るんべるブログ
☆手芸品製作販売の作業☆
☆羊皮紙製作の作業☆
現在、羊の皮は産業廃棄物となっており、
お金を払って焼却処分されています。
そのような皮を再利用するために、
るんべるでは昨年から羊皮紙を作る取り組みを始めました。
≪① 洗う≫
食肉用に処理された
羊皮紙に
この皮は血まみれ
洗剤を
そのあと、保存する場合は「塩漬け」か「冷凍」します。
≪②石灰水に漬けて毛穴を開く≫
羊皮紙にする場合は、洗った後、
水に石灰を混ぜた石灰水(強アルカリ水)を作り、
その中に皮を浸して4日(夏)~8日(冬)置きます。
石灰水に浸すことで、羊の毛穴を開き、
表面の組織を分解します。
いよいよ、毛を削る作業へと入ります。
≪③ 毛を削る≫
毛などを削るために
石灰水に漬けられた羊の毛はつるっとむけます。
≪④脂肪を削る≫
毛が付いていた面を裏返して、脂肪を削っていきます。
≪⑤表皮を削る≫
脂肪を取り終えたら、また裏返して表皮を削っていきます。
表皮は人間でいう薄皮のようなものです。
士別の羊は脂肪が多く、表皮の下にも脂肪や脂分があるので
丁寧に削っていきます。
この作業で、羊皮紙の質感が左右されます。
≪⑥再石灰水漬≫
毛・脂肪・表皮などすべて削り終わったら、再度石灰水に浸します。
これには脂抜きの作用があり、数日漬けておくと
水面に脂の膜が張ることもあります。
≪⑦枠張り≫
石灰水に漬けた皮を丁寧に洗ったあと、木枠に張っていきます。
全体を張ったあと、半月刀という道具で皮を削っていき、
水分と脂分を除去します。
この作業で、皮をピンと伸ばしていきます。
≪⑧やすりがけ≫
皮が乾いたら、サンドペーパーでやすりがけをして、
表面のざらつきを整えます。
やすりがけ後、木枠から皮を外して完成です。
≪羊皮紙豆知識≫
◎羊皮紙は紙ではない!
羊皮紙は語尾に「紙」とつくので紙と思われがちですが、
実際は皮です。そのため、羊皮紙はぬれても破けず、
水につけると柔らかい皮に戻ります。
張りなおせば、また羊皮紙として使えます。
状態が良いと1000年以上も保存がききます。
現在も外国の公文書などに羊皮紙が用いられています。
◎羊皮紙は羊だけとは限らない!
羊以外に馬や牛、ヤギや豚など動物の皮で作られたものを
「羊皮紙」といいます。ちなみに、るんべるで作っている
羊皮紙の皮は100%士別産ひつじです!
◎羊皮紙は印刷機でのプリントも可能!
印刷機によるプリントが可能で、るんべるでは名刺や
賞状作成などの印刷業務も行っています。
◎「なめす」とは違う!
なめし作業は、皮に薬品を染み込ませ化学反応をさせて、
皮自体の繊維構造を変えています。
しかし羊皮紙は物理的にピンと張っただけなので違います。
なので、ここでは削るという表現を使っています。
羊皮紙は元をたどれば歴史の深いものです!
るんべるでは、士別市のまちおこしとして社会参加できればと思い、
羊皮紙作りを始めました!
福祉施設によるまちおこし実現のためにも、
今後も続けて羊皮紙づくりに施設一同励んでいきたいと思います!